笠松将×NUBIAN|タフな力強さと凛とした感情で紡ぐ、自分らしい物語


ストリートの自由なエネルギーとラグジュアリーの洗練さが交差する空間、「NUBIAN」名古屋PARCO店。俳優・笠松将さんがモードとストリートが融合する自分らしいスタイルを求めてショップクルーズ。偶然の出会いから始まった俳優としての軌跡、さまざまな感情や経験を重ねた今をインタビュー。日々の小さな喜びも含めたすべての瞬間が、タフで凛とした彼の存在感と魅力をより深く際立たせる。
- Photo
- Takahiro Mizushima
- Stylist
- Masahiro Hiramatsu
- Hair&Make
- Masa Kameda
- Text
- Hisako Yamazaki
- Edit
- Mariko Araki、Kaori Tanno(RIDE)
自己表現の最前線へ。
ストリートとラグジュアリーが交差する拠点
「NUBIAN」は、ストリートを基盤にしながらもハイエンドな感覚を取り入れたセレクトショップ。世界各地から選び抜かれた最新のデザイナーズ・ブランドやストリートブランドを幅広く取り扱い、カルチャーやファッションを横断するような提案力に定評がある。“服を買う場所”にとどまらず、音楽やアート、ライフスタイルを含めたトータルなカルチャーを発信する場として、ファッション感度の高い層から支持を集めている。名古屋PARCOのショップは、なかでも都市のエネルギーとローカルな感性をつなぐ拠点。モノトーンを基調とした洗練された空間に、最新のデザイナーズストリートブランドを一堂にラインナップ。東京や海外のムードを体感できる一方で、名古屋のカルチャーとの共鳴を意識したセレクションが光る。ショップに足を踏み入れると、アートギャラリーのようなシャープな雰囲気とストリートならではの熱量が共存。ストリートとラグジュアリーの境界が曖昧になる昨今、自己表現を重視する時代のトレンドが加速するなかで、「NUBIAN」名古屋PARCO店はその最前線を映し出す存在となっている。




偶然の出会いから始まった
俳優としての道のり
名古屋出身の俳優・笠松将さんが纏うのは、NUBIANセレクトブランドによるストリートなモード。主役となる「Rick Owens」のカーフレザージャケットは、ダークで構築的なデザインが印象的な1着。インナーには、退廃的でありながらも洗練された美学を追求する話題のブランド「FILTH」のメッシュシャツに、川崎区出身の8MCで結成されたHIPHOPクルー「BAD HOP」が手掛けるアパレルブランド「BREATH」のリブタンクを重ね、軽やかさとストリートの遊び心をプラス。足元にインパクトを添えるのは、Rick Owensのレースアップシューズだ。モード感をさらに引き立て、全体の表情に静かな緊張感を与えている。NUBIANでも人気が高いRick Owensは、纏う人の存在そのものをアートのように見せる力を宿す。
「高校2年の頃、ちょうどこの名古屋PARCOを出た辺りの道でスカウトされたんです。そのことがきっかけで、『俳優という職業もあるんだな』と知ることができて。それまで、そんな気持ちになったことが1度もなかったから。むしろ、この仕事をはじめて、いまこの瞬間に至るまでの時間で、ちょっとずつ『(俳優に)なりたいな』『もっとこうなりたいな』という気持ちになっていきました」

<FILTH>FRONT ZIP BAGGY DENIM SHORTS ¥33,000、<Rick Owens>LACEUP BOGUN ¥358,600


笠松将が歩む、表現者としての軌跡。
その感情が生み出すグラデーション
今季、NUBIANが注目するアイテムは、「ALICE HOLLYWOOD」と「BREATH」のアクセサリー。LAを拠点に展開する新鋭ブランド「ALICE HOLLYWOOD」は、各国でのポップアップをベースに販売しており、世界中でも入手困難なブランドとして話題に。A$AP RockyやDestroy Lonely、Bloody Osirisなど世界的なファッションアイコンから支持を集めている。重厚感のあるメタル使いや細部まで練られたディテールにより、着けるだけでスタイル全体に旬なアクセントと存在感をプラスする。
笠松さんが俳優としての道を歩み始めたのは、2013年の20歳のころ。キャリアのスタートはエキストラから始まった。「最初はやっぱり、めちゃくちゃ楽しかったです。何も知らなかったし、出会う人たち全員が自分より先輩であるわけだし。いろんなことを教えてもらい、みんな優しくしてくれた。純粋にすごく楽しかったなという感じですね」
当時の彼が抱いた純粋な“楽しさ”は、12年経ったいまも変わらないのだろうか。「いまはもっと複雑ですよね。楽しい瞬間がより強い。楽しい瞬間があるけど、それ以外はやっぱりこう……不安な夜とか、プレッシャーに押しつぶされそうなときも多い。でも、やらなきゃいけないから。感情のグラデーションの中で、“楽しい”の濃さはとても濃くなったけど。でもやっぱり、いろんな感情の中のひとつであり。そして、そのいろんな感情の全部が、たぶん、すごく濃くなっていると思うんです」。その“感情のグラデーション”こそが、俳優としての彼を支える原動力に。楽しさだけでなく、不安や葛藤も含めたすべての経験が、俳優・笠松将の表現力と存在感を形成しているのだ。



<BREATH>BH TRIPLE WALLET CHAIN ¥29,700、<ALICE HOLLYWOOD>MOTO COUTURE LIGHTER KEYCHAIN ¥24,200、<ALICE HOLLYWOOD>MOTO COUTURE RING ¥17,600、
<ALICE HOLLYWOOD>MOTO COUTURE BRACELET ¥24,200、<ALICE HOLLYWOOD>MOTO COUTURE WALLET CHAIN ¥28,600



目の前の実感を積み重ね
自分らしく生きる、その先へ
俳優としてのキャリアをスタートさせて12年。経験を重ねる中で、笠松さんの価値観や生き方は大きく変化してきたという。「それはステージごとに変わってきましたね」と彼は語る。年齢や役の規模、作品の内容によって、自分自身の考え方も変化してきたそう。「変化はずっとしています。でも逆に今は、あまり何も考えていないかも。監督に強くお願いされたから映画に出ることもあれば、ドラマもそう。求められるうちが花かなと思いながらやっています」
実は撮影中、笠松さんは偶然見つけたお気に入りのスイーツショップへ駆け寄った。しかし閉店間際で、ショーケースのケーキはすでにほとんど完売。それでも奇跡的に最後のピースが残っていて、撮影後に彼の手に渡るという嬉しいハプニングが起こった。
求められることを楽しみながら、自分の感覚を大切にする。穏やかな笑顔を浮かべながら、彼は最後にこんな言葉を残した。
「仕事をやってみて、『すべてにおいて、なんか面白いことがあればいいかな』という気持ちになれたんです。なんかわからないけれど、大成功って限界あるから。それより、小さなことだけれども、さっき撮影の後に食べたケーキみたいに『なんか美味しい』みたいな……自分がちゃんと目の前で実感できることを積み重ねたほうが嬉しい感じがしますね」




- ショップ名
- NUBIAN
- フロア
- 名古屋PARCO 西館1F
- 公式ブランドサイト
- https://nubiantokyo.com/
- 公式SNS
- Instagram(@nubian_tokyo @nubian_tokyo_womens)
- その他店舗
- 渋谷PARCO
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笠松将
1992年11月4日生まれ、愛知県出身。2013年より本格的に俳優活動をスタートし、映画やドラマを中心にキャリアを築く。映画『花と雨』(2020)で長編映画初主演を果たし、近作ではドラマ『君と世界が終わる日に(Hulu)』、大河ドラマ『青天を衝け』、配信作品『全裸監督2(Netflix)』、主演映画『リング・ワンダリング』、日米合作『TOKYO VICE(HBO max)』、『ガンニバル(Disney+)』、連続テレビ小説『らんまん』などに出演。強さと脆さを併せ持つ人物像を巧みに体現し、国内外で活躍する俳優として鮮烈な存在感を放っている。10月10日からスタートするドラマ「フェイクマミー」(TBS系)、ブッカー賞受賞作を原作とした海外ドラマ『奥のほそ道 –ある日本軍捕虜の記憶-』(U-NEXT)、10月17日から配信予定されるNetflixオリジナル韓国映画『Good News』にも出演。
Instagram(@show_kasamatsu_official)